盛岡市中央通のビル解体工事中の現場で１日夜、足場が倒壊し、市内中心部を通る片側２車線の幹線道路の３車線をふさぎ、一時通行止めとなったため、周辺は大混乱した。

　解体工事の元請け業者、宮城建設によると、現場では８階建てのビルのうち６～８階を壊し、１～５階が残っていた。倒れた足場は高さ約２５メートル、幅約２０メートル。シートに覆われていたが、解体工事でできた内側の空間に吹き込んだ強風のため、シートがふくれ、足場と壁とつないでいた留め具が破断したとみられる。

　交差点のそばで、通行人がいてもおかしくない時間帯だったが、人的被害はなく、飛んだ金具が１台の車のバンパーに当たったという。同社の若林治男副社長は「奇跡に近い」と語った。

　倒壊した足場の撤去作業は１日午後８時ごろ始まり、２日午前０時半ごろ終了。まもなく車道の通行が再開したが、ビル前の歩道は通行禁止となっている。

　盛岡地方気象台によると、市内では１日夕方から風が強まり、午後６時に最大瞬間風速の１９・８メートルを記録した。
(産経新聞)